世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】よくわかる比較生産費説

 この記事では高校公民科「政治経済」の経済分野について解説しています。記事内では時事問題等も扱っていますが、更新日当時の情報です。実際の状況とは異なっている場合がありますからご注意ください。

 


経済学の威力

 経済学とは限られたお金でどれだけの財・サービスを作り出せるかを研究する学問です。今回は経済学の基礎となる事柄について学習していきます。ちなみに財・サービスについては以下の記事で解説しています。

比較生産費説

 今回は経済学の最初ということで、「比較経済費説」について学習していきます。一番理解しにくい分野になります。以下の図をご覧ください。

比較生産費説(特化前)

比較生産費説(特化後)

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 本来は国際経済について学習するべき内容になるんですが、経済の基本的な考え方を網羅しているのであえて最初に扱います。上図を用いて説明していきます。

 まず特化前というところをご覧ください。イギリスは葡萄酒と毛織物の生産をどちらかに絞るとしたら、どっちの方が効率的だと言えるでしょうか。明らかに毛織物です。そのほうが少ない人数で生産できますから、その分もっと多く生産することができるはずです。反対にポルトガルではどうでしょうか。同じ考え方で葡萄酒の生産の方が効率的と言えるでしょう。

 このようにして特化することで、生産物を増やすことができる。という考え方なんです。特化した教科書とか読んでいると堅っ苦しい内容で理解しにくいのですが、このように本質を突けば一瞬で解決します。

 ちなみにこれを考えついたのはイギリスの経済学者「リカード」で、主著は「経済学及び課税の原理」です。

話を戻して…経済学の基礎

 今まで説明したような理論によって財・サービスを多く提供するには、得意分野に分けて作業したり、協力した方がいいよねという話になるんです。これを分業・協業といいます。

 生産するためには土地とか労働力、資本(事業を興すためのお金)が必要になりますよね。これらのことを生産のために必要な要素なので生産要素といいます。そしてそれらの資源を最も効率的な使い方を探究する「資源の最適な配分」の実現が経済学の目標になるわけです。

 次回は「資本主義」について学習していきます。