お知らせ ブログを移転します

 本年度4月よりついに新課程が開始されました。それに合わせてただいま、記事の改訂・さらなる記事の作成に4月より取り掛かっております。

 

 その中でwordpressの方が利便性が向上すると判断いたしましたため、数日中にブログの移転を実施することにいたしました。移転後はURLを変更することになります。また記事の更新はそちらのみ行い、当ブログは一定期間経過後廃止いたします。ブックマークに登録していただいている方は設定の変更をお願いいたします。

 

 ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】よくわかる同性婚訴訟

 

現代社会の諸課題の1つです

 今回は同性婚訴訟について扱っていきます。一般教養として学習しておきましょう。

 今回についてはニュース記事を読んでみましょう。

www.asahi.com

  同性どうしの結婚が認められないのは憲法で保障された「婚姻の自由」や「平等原則」に反するとして、北海道の同性カップル3組6人が国に1人100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁(武部知子裁判長)は17日、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると認定した。原告の請求は棄却した。東京、大阪など全国5地裁で争われている同種訴訟で司法判断が出たのは初めて。

(上記記事より引用)

参考条文

日本国憲法
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。 栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 はいどれもこれまで扱ってきたものですね。このようなデリケートな問題は、どうしても試験にはしにくいですが、ダイバーシティ構想などは小論文などの問題にされていますから、一般教養として扱いました。

 

判決の解説

 日本国憲法24条では、婚姻は「両性」の間で成立すると規定されていますが、原告の同性カップル3組は、この規定は同性婚を否定していないと主張しました。札幌地裁は、法の下の平等を定めた14条に違反すると判断しましたが、13条と24条については違憲には当たらないとし、原告の請求を棄却しました。

これは、同性婚が認められるべきかどうかについての重要な判断であり、今後の議論に大きな影響を与えることが予想されます。この判決により、同性愛者が婚姻によって生じる法的効果を認めない民法及び戸籍法の規定は、憲法14条1項に違反するとされました。

背景

このような判決が出された背景には、多くの人々が多様性の重要さに気付き始めており、世の中の空気が変わりつつあることが挙げられます。日本では2003年に性同一性障害者特例法が制定されていて性転換手術を受けた方は、性別を変えてもOKというようになっています。これからの議論に期待です。

 次回は夫婦同姓規定訴訟について扱っていきます。

世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】よくわかる女性再婚禁止期間規定違憲判決

 この記事では高校公民科「政治・経済」の内容を説明しています。なおこれまで公開していたノートは作成に時間がかかり、ブログの更新が滞ってしまいますので、後日作成し配信いたします。必要な図はその都度提示したりしますので、ご安心ください。

 

女性再婚禁止期間規定違憲判決とは

 

2011年(平成23年)に、岡山県に住む女性が「民法の再婚禁止期間があるため、結婚が遅れ精神的苦痛を受けた」として、日本国政府法務省)に165万円の損害賠償を求めて提訴した。女性は前夫の家庭内暴力が原因で、2008年(平成20年)に離婚したが、後夫との再婚は離婚届から6ヶ月後まで待たざるを得なかった

2012年(平成24年)10月、岡山地方裁判所判決は「立法の趣旨には合理性がある」として原告側の請求を退け、2013年(平成25年)4月、広島高等裁判所岡山支部判決も同判断を支持した

2015年(平成27年)12月16日、最高裁判所大法廷は「100日を超えて女性の再婚禁止期間を設ける部分は、2008年当時において、憲法14条1項、24条2項に違反するに至っていた」として、100日以内の再婚禁止規定は合憲であると認めながら、100日を超える部分については違憲とした。

Wikipediaより引用)

 

女性再婚禁止期間規定違憲判決の背景

女性再婚禁止期間規定違憲判決とは、日本の法律において女性に対して設けられていた再婚禁止期間を違憲とする判決のことです。以前は、離婚後に女性が再婚するためには一定の期間を経過しなければならないという規定がありましたが、この判決によってその規定が違憲とされました。

 この規定は万が一離婚時に子どもを妊娠していた際に、親を早く決定するための制度でしたが、現代にはそぐわないと判断されたわけです。

 この判決は、男女平等の観点から見ても妥当性が疑われる規定であり、女性の再婚権を制限することは、社会的な進歩に反するものであるとされました。また、この規定は女性の自己決定権を侵害しているとも指摘され、違憲と判断されるに至りました。

女性再婚禁止期間規定違憲判決の意義

 女性再婚禁止期間規定違憲判決の意義は大きいと言えます。まず、この判決によって女性の再婚権が保障されることになりました。再婚禁止期間が違憲とされることで、女性は離婚後すぐに再婚することができるようになります(2022年に民法の改正案が可決されました)。これによって、女性が自身の人生を選択する権利が保たれることになります。

 さらに、この判決は男女平等の観点からも重要な意義を持っています。婚姻関係において、男女は平等な権利を持つべきです。再婚禁止期間は、女性に対してだけ設けられていた規定であり、男性には存在しなかったのです。このような差別的な規定は社会的な進歩に反し、男女平等を実現するためには撤廃されるべきでした。

女性の再婚権と社会的な意義

 女性の再婚権は、社会的な意義も持っています。まず、女性が再婚することによって、自己実現や幸福を追求することができます。より早く再婚が可能なことで、女性は新たなパートナーや家族を見つけることができ、自己実現や幸福を追求する機会が広がるのです。

 また、女性の再婚権は、経済的な自立にもつながります。再婚は、女性が再びパートナーと共に生活することを意味します。経済的な負担を分担できるパートナーがいることで、女性はより安定した生活を送ることができます。これによって、女性の経済的な自立が促進され、社会全体の経済活動にもプラスの影響を与えることが期待されます。

 

 女性の再婚権の保障は、社会的な進歩と男女平等を実現するための重要なステップです。女性が自身の人生を選択し、自己実現や幸福を追求する権利が保たれることで、社会全体の発展にも貢献します。新時代の女性の再婚権を支えることは、私たち全員の関心事であり、取り組むべき課題です。

世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】よくわかる比較生産費説

 この記事では高校公民科「政治経済」の経済分野について解説しています。記事内では時事問題等も扱っていますが、更新日当時の情報です。実際の状況とは異なっている場合がありますからご注意ください。

 


経済学の威力

 経済学とは限られたお金でどれだけの財・サービスを作り出せるかを研究する学問です。今回は経済学の基礎となる事柄について学習していきます。ちなみに財・サービスについては以下の記事で解説しています。

比較生産費説

 今回は経済学の最初ということで、「比較経済費説」について学習していきます。一番理解しにくい分野になります。以下の図をご覧ください。

比較生産費説(特化前)

比較生産費説(特化後)

*1


 本来は国際経済について学習するべき内容になるんですが、経済の基本的な考え方を網羅しているのであえて最初に扱います。上図を用いて説明していきます。

 まず特化前というところをご覧ください。イギリスは葡萄酒と毛織物の生産をどちらかに絞るとしたら、どっちの方が効率的だと言えるでしょうか。明らかに毛織物です。そのほうが少ない人数で生産できますから、その分もっと多く生産することができるはずです。反対にポルトガルではどうでしょうか。同じ考え方で葡萄酒の生産の方が効率的と言えるでしょう。

 このようにして特化することで、生産物を増やすことができる。という考え方なんです。特化した教科書とか読んでいると堅っ苦しい内容で理解しにくいのですが、このように本質を突けば一瞬で解決します。

 ちなみにこれを考えついたのはイギリスの経済学者「リカード」で、主著は「経済学及び課税の原理」です。

話を戻して…経済学の基礎

 今まで説明したような理論によって財・サービスを多く提供するには、得意分野に分けて作業したり、協力した方がいいよねという話になるんです。これを分業・協業といいます。

 生産するためには土地とか労働力、資本(事業を興すためのお金)が必要になりますよね。これらのことを生産のために必要な要素なので生産要素といいます。そしてそれらの資源を最も効率的な使い方を探究する「資源の最適な配分」の実現が経済学の目標になるわけです。

 次回は「資本主義」について学習していきます。

世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】よくわかる貨幣

 この記事では高校公民科「政治経済」の経済分野について解説しています。記事内では時事問題等も扱っていますが、更新日当時の情報です。実際の状況とは異なっている場合がありますからご注意ください。

 今回からは経済分野について扱っていきます。経済分野がおざなりになって高校の授業が終わってしまうなんていうのはよくある話でございます。ですので政治分野よりも丁寧に解説していきますからご安心を。

 

経済の学習の始まり

 経済を学習するためには経済の定義を学習する必要性がありますね。というわけで定義の確認です。といって辞典でも出してこればいいですけど、余計混乱すると思うので次のように押さえておけば十分です。「お金関係のこと」これで十分です。ちなみに経済という言葉を考えたのは福沢諭吉です。

 経済学では形のある生産物のことを「財」といいます。テレビなんかがいい例でしょう。また形のない生産物のことを「サービス」といいます。演奏会なんかがいい例でしょう。では経済はいかにして生まれたかという話に移ります。

物々交換から始まった経済

 よく人間の進化なんていう話をすると、物々交換をしていたなんていう話がされますが、これが経済の始まりです。それぞれ個人が生活の全てを自分で行なっていた状態から、生活の営みを細分化して、それぞれ得意な人がやるという発想です。
 しかしこの方法では互いに求めているものを持っていないとこの話は成立しないわけです。相手が求めているものをお互いに持っていないとこの話は成立しない。そこで「貨幣」という思想が出てきたというわけです。
 少し論理が飛躍しました。貨幣というものを媒介すればお互いに求めているものを持っていなかったとしても、成立する。それはなぜでしょうか。物々交換の短い話を用いて説明しましょう。

 ジョンは魚を2匹釣ってきた。自分で食べるのには1匹あれば十分だ。そこにエリーがやってきた。エリーは山でウサギを獲ってきた。しかしこれはエリーが食べる分しかない。
 ジョンとエリーは物々交換をすることを互いに提案した。ジョンは魚を1匹やるからウサギを1羽欲しいと言った。しかしエリーはウサギが自分が食べる分しかない。ただ魚は欲しい。

 このような場面に出くわしたとき貨幣があったらどうなるでしょうか。続きです。

 そこでジョンは魚を1匹やった。その代わりにエリーは山で見つけた珍しい石を上げることにした。その後ジョンはその珍しい石と交換に他の人からウサギをもらうことにしたのだ。

 この文中で出てきた珍しい石が「貨幣」です。なぜこれが成立するのかという話を次の項でしていきます。

貨幣の本質

 貨幣の本質とは何でしょうか。ズバリそれは「その場にいる人間全員が貴重だと思い込んでいるもの」です。貴重だと思い込んでいるというのは、皆さんが普段使っているお札を例に挙げれば一撃で解決するわけなんです。どういうことかというと日本国民全員が貴重だと思い込んでいるから成立するんです。もし明日日本がなくなったら、そのお札は紙切れになるわけですよね。
 もっとわかりやすく言いましょう。世の中にはカードゲームがあるわけです。その中にはとてもレアなカードがあるわけです。これは希少だからみんな欲しい。だから価値が高くなる。そういうカラクリです。ちなみに好き勝手模倣品が作られたら価値が下がりますから管理する人も必要になるといったカラクリもあったりします(模倣品を作るのは違法です。やめましょうね)。

というわけで経済の学習の始まりということで、お金の本質について扱いました。次回は経済学の学習意義、そして経済体制について扱っていきます。

世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】平等権②-日産自動車男女別定年差別訴訟(男女差別①)

 この記事では高校公民科「政治・経済」の内容を説明しています。なおこれまで公開していたノートは作成に時間がかかり、ブログの更新が滞ってしまいますので、後日作成し配信いたします。必要な図はその都度提示したりしますので、ご安心ください。

 

平等権はつづくよ

 平等権はめちゃくちゃ長いです。あと数回は平等権について扱っていくわけになるのですが、とにかく判例が多いんですね。全部覚える必要性はどう考えてもあるんですよ(笑)。ただある程度の条文を知っておけば導き出せるという数学にありそうな展開です。事件とかの名称を押さえておいてどんな展開になったのか、ということだけで大丈夫なんです。というわけで今回もまた条文を紹介して具体的な判例をいくつか見ていきましょう。

女性差別憲法24条を読む

 では今回扱う憲法条文を確認していきます。

第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 この内容はどういう経緯でできたのかというと、戦前の日本では女性差別が激しかったんですね。それでそこをどうにかしようとできたのが、この条文だったんです。基本的には男女は平等だよっていう内容なんだと押さえておきましょう。では具体例を紹介していきましょう。

事例① 日産自動車男女別定年差別訴訟

 

事件の概要

 原告女性の勤務先会社(プリンス自動車工業)は1966年に被告会社(日産自動車)に吸収合併された。合併前の会社は男女とも55歳定年だったが、新しい勤務先となった会社は就業規則で定年を男性55歳、女性50歳と定めていた。そして、満50歳となった原告は1969年1月末で退職を命じられた。これに対し、女性は従業員である地位の確認を求める仮処分申請を起こしたが、一審・二審とも請求を棄却したため女性が本訴に及んだ。しかし本訴では一審・二審とも男女別定年制が違法であると認めたため、会社側が日本国憲法第14条、民法90条の解釈誤りを主張して上告。

Wikipediaの概要文を引用)

事件の争点

①男女差別は憲法24条で保障されているため憲法14条に違反しないか。

参考条文

憲法第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

解説

 他にも同様の「住友電工事件」「野村證券コース別人事訴訟」などがありますが、基本的な構造は同じですので、ここでは特に掲載することはしません。現代の常識から言うとこれはあり得ないだろうと言う話になりますが、同様の訴訟がいろいろあることからも読み取れるように、このようなことが罷り通っていた時代があったと言うわけなんですね。以下に判決はあらためて載せることにはしますが、公序良俗に反すること(これを定義しているのが民法90条)だとしてこのような就業規則は無効としました。
 公序良俗とは公の秩序や善良の風俗を乱すもの、つまり倫理的にまずいことをすること(例:奴隷的扱いをすることなど)は無効とするものです。

判決

最高裁民法90条の規定により男女別定年は違法。日産自動車の上告は棄却とする。

 

 今回はここまでです。次回最高難度の判例が待ち構えています。心して臨みましょう。