世界一詳しくわかりやすく!【政治経済】よくわかる貨幣

 この記事では高校公民科「政治経済」の経済分野について解説しています。記事内では時事問題等も扱っていますが、更新日当時の情報です。実際の状況とは異なっている場合がありますからご注意ください。

 今回からは経済分野について扱っていきます。経済分野がおざなりになって高校の授業が終わってしまうなんていうのはよくある話でございます。ですので政治分野よりも丁寧に解説していきますからご安心を。

 

経済の学習の始まり

 経済を学習するためには経済の定義を学習する必要性がありますね。というわけで定義の確認です。といって辞典でも出してこればいいですけど、余計混乱すると思うので次のように押さえておけば十分です。「お金関係のこと」これで十分です。ちなみに経済という言葉を考えたのは福沢諭吉です。

 経済学では形のある生産物のことを「財」といいます。テレビなんかがいい例でしょう。また形のない生産物のことを「サービス」といいます。演奏会なんかがいい例でしょう。では経済はいかにして生まれたかという話に移ります。

物々交換から始まった経済

 よく人間の進化なんていう話をすると、物々交換をしていたなんていう話がされますが、これが経済の始まりです。それぞれ個人が生活の全てを自分で行なっていた状態から、生活の営みを細分化して、それぞれ得意な人がやるという発想です。
 しかしこの方法では互いに求めているものを持っていないとこの話は成立しないわけです。相手が求めているものをお互いに持っていないとこの話は成立しない。そこで「貨幣」という思想が出てきたというわけです。
 少し論理が飛躍しました。貨幣というものを媒介すればお互いに求めているものを持っていなかったとしても、成立する。それはなぜでしょうか。物々交換の短い話を用いて説明しましょう。

 ジョンは魚を2匹釣ってきた。自分で食べるのには1匹あれば十分だ。そこにエリーがやってきた。エリーは山でウサギを獲ってきた。しかしこれはエリーが食べる分しかない。
 ジョンとエリーは物々交換をすることを互いに提案した。ジョンは魚を1匹やるからウサギを1羽欲しいと言った。しかしエリーはウサギが自分が食べる分しかない。ただ魚は欲しい。

 このような場面に出くわしたとき貨幣があったらどうなるでしょうか。続きです。

 そこでジョンは魚を1匹やった。その代わりにエリーは山で見つけた珍しい石を上げることにした。その後ジョンはその珍しい石と交換に他の人からウサギをもらうことにしたのだ。

 この文中で出てきた珍しい石が「貨幣」です。なぜこれが成立するのかという話を次の項でしていきます。

貨幣の本質

 貨幣の本質とは何でしょうか。ズバリそれは「その場にいる人間全員が貴重だと思い込んでいるもの」です。貴重だと思い込んでいるというのは、皆さんが普段使っているお札を例に挙げれば一撃で解決するわけなんです。どういうことかというと日本国民全員が貴重だと思い込んでいるから成立するんです。もし明日日本がなくなったら、そのお札は紙切れになるわけですよね。
 もっとわかりやすく言いましょう。世の中にはカードゲームがあるわけです。その中にはとてもレアなカードがあるわけです。これは希少だからみんな欲しい。だから価値が高くなる。そういうカラクリです。ちなみに好き勝手模倣品が作られたら価値が下がりますから管理する人も必要になるといったカラクリもあったりします(模倣品を作るのは違法です。やめましょうね)。

というわけで経済の学習の始まりということで、お金の本質について扱いました。次回は経済学の学習意義、そして経済体制について扱っていきます。