【まとめノートつき】民主主義思想をどこよりも詳しく解説【政治経済】

 この記事では高校公民科「政治・経済」の内容を説明しています。説明を読む際はぜひ授業テキストを印刷して使用してください。穴埋め形式になっています。
 またテキストがなくても説明は完結するよう作ってあるので安心してください。

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 さて今回からは「民主主義思想」について扱います。この山と次の「世界の政治体制」を越えれば、日本の現代のものになるので楽になります。ですからここも少しずつ暗記していきましょう。まあ理解すれば楽です。

 民主主義とはなんでしょうか。詳しくは次回以降扱いますからここでは、みんなで政治をすることとおさえておいてください(空欄1解答)。またここでは新興市民階級=ブルジョアジーが得たということも覚えておいてください(空欄2解答)。

 民主主義の思想の源流を辿ると、13世紀の欧州に至ります。欧州で何が起きたのでしょうか。欧州ではその当時「封建社会」が普通でした(空欄3解答)。つまり貴族や教会が実権を握って政治を行っていました。しかし権威が次第に王様による政治からまず貴族による政治に変化していこうという風潮が強くなってきました。
 この時の国家は「王権神授説」という考え方に基づいて政治を行っていました(空欄4解答)。これは王様の権利は神様から与えられたものだ、という考え方です。
 しばらくして「社会契約説」という考え方につながっていきました(空欄ではなく「これに反対する考え方」という所に書いてください)。人間が生まれながらに持っている権利(=自然権といいます)を国家に守ってもらうために、国家と契約して国を運営してもらおう、という考え方です。これは国家権力の由来を人間に求めたという点で、国民に主権があるという考え方(=国民主権)の考え方につながっていくことになります。

 まずは次から社会契約説と権力分立論について詳しく学習します。その後で民主主義発達の歴史を確認し、最後に現代の民主主義について学習しましょう。

 

 社会契約説は主に次の3人によって唱えられました。ホッブズ・ロック・ルソーの3人です。では最初のホッブズから学習していきましょう。
 ホッブズはイギリスの思想家です。まず主著は「リバイアサン」です(空欄5解答)。この中で、人間が何もない状態である(=自然状態)は、「万人の万人に対する闘争状態」であるとしました(空欄6解答)。どういう状態かというと、人間は正義や法などの取り決めがない場合(何にも縛られない状態)であると、必ず資源は有限であるから、対立し合うという考え方です(空欄7解答)。
 だから自然権を放棄して国に譲渡することで、国家に調整してもらおうと彼は考えました(空欄8解答)。ただしそのような契約で成立した国家は「神聖不可侵」として、抵抗したりする権利はないのだ、としました。(空欄9解答)
 このような考え方ですから結局「絶対王政」を支持する内容となりました。これは近代の政治や人権の考え方の基礎となりました(空欄10解答)。

 次はロックです。ロックの主著を確認しましょう。「市民政府二論」または「統治二論」です(空欄11解答)。自然状態は、資源はいくらでも増やすことができるから、「自由・平等・独立・平和の状態」になると述べました。
 政治は各々が自然権の一部を代表者に渡すことで国家ができると述べました。テキスト空欄11は信託と書いてください。この信用に反するときは抵抗したり(抵抗権)、取り替えたりできる(革命権)権利があると述べました(テキスト空欄13・14解答)。また間接的に政治をする間接民主制を主張しました(空欄15)。
 次回以降扱いますが、名誉革命を理論的に意義づけ、アメリカ独立革命に影響を与えることになります(空欄16)。

 最後はルソーです。ルソーの主著は「社会契約論」です(空欄17解答)。自然状態は自己愛と思いやりを持った状態であるとしました。ただし私有財産(経済でやりますからここでは生産する方法と生産したものを自分で持って良い、くらいのおさえ方で良いです)がこれらを壊すと述べました(空欄18解答)。
 政治は自由・平等の権利を共同体(人民の全体)である政府に全面的に譲渡することにより行われるとしました(空欄19)。また人民の一般意思によって政治を行われるべきとしました(空欄20・21)。またこの一般意思は分割できないとして、直接民主制が最適であるとしました。
 結果としてルソーは国民主権の理論を確立しました。こちらも次回以降扱いますが、フランス革命に影響を与えることになります(空欄22解答) 。

 権力分立論とはその名の通り、国家権力は分けて存在するべきであるという考え方です(空欄23)。これを唱えた人物を2人あげておきます。ロックとモンテスキューです(空欄24)。中学校の授業で聞いたことがあるという人もいるかもしれません。ではロックの権力分立論から整理していきます。
 ロックは議会と国王に権力を分けるべきと考えました。ここらへんは難しくしようとしたらいくらでもできるので簡単に理解しておきましょう。議会が国王を抑制するという関係性です。そして議会は立法権を持つとしました。
 次にモンテスキューについてです。モンテスキューとはフランスの思想家で、主著は「法の精神」です(空欄25)。その中で国家権力を立法権・行政権・司法権の3つに分けるべきだとしました(空欄26~28)。そしてそれぞれを議会・国王・裁判所が担うものとしました。これを権力の抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)の関係にあるといいます。またこのように3つに分けることを三権分立と言います(空欄29)。ちなみにこれを忠実に受け継いでいる国がアメリです(空欄30)。

 以上社会契約説と権力分立論について学習してきました。次回からは人権保障のあゆみについて学習していきます。この講最大の山場が続きますから頑張りましょう。